母と子

 

「母子家庭の子供には、何か悪い影響が出るのかなぁ・・・」

離婚してシングルマザーになったあとに、そんな不安を抱えた時期が私にはありました。

 

報道番組やドキュメンタリー番組のおかげで、すっかり『母子家庭の子供=幸薄い』というイメージが定着していますよね。当のシングルマザーとしては、そんな物悲しい「型」にはめてくれるな!!と強く思うワケです。

 

 

イメージうんぬんではなくて、母子家庭が与える子供への影響について、きちんと研究されたデータってないの?と思い調べてみたところ、東大の教育学研究科の資料を見つけました。

 

その資料の内容から、母子家庭親子が明るく楽しく暮らすために、母親が「今やるべきこと」を考えてみました。

 

 

母子家庭の子供に悪影響が出る5つのケース

 

悪いことばっかりイメージするのは正直気が重くなるのですが、現在の日本では、やはり「母子家庭ならではの悪影響」が問題になっているようです。

 

それぞれの家庭によって状況は違います。なので、抱えている問題はさまざま。

なかなか「一般的には~」と言い表すのは難しいのですが、それでもあえて言うと、次の5つのケースに当てはまる母子家庭の子供は、心や行動に影響が出る可能性が高いようです。

 

  1. 子どもに対して十分説明がなされずに両親が別れちゃった
  2. 別れた後に父親が子どもに対して冷たくなった、もしくは、ほとんど会わなくなった
  3. 離婚後の母親がメンタル的、経済的に弱くなり、親としての機能を果たせなくなった
  4. 離婚後、母親が長時間労働することにより、子どもと接触する機会が減った
  5. 上の4つに加え、学校や親族など、外部からのサポートが手薄

※東大大学院教育学研究科 『離婚が子供と家族に及ぼす影響について』より

 

それぞれについて、もう少し詳しく書いていきます。

 

 

「なんでママとパパは別々に暮らすの?」が分からないまま生活が変わる

園

 

「子どもが小さくて離婚の意味が分からないだろうから話さない」は、子供を混乱させてしまいます。

その後の環境の変化が目まぐるしいから。

 

苗字が変わる、住んでいる地域が変わる、家が変わる、通う園や学校が変わる・・・。これだけの「変化」があれば、いくら幼い子供でも「なぜ??」となるはず。

 

今までとは違う家に住むことになって、仲の良かった友達と離れて、全く知らない子供たちといきなり共同生活をするような環境が理由もなしに訪れると、子供の心には相当なストレスがかかります。

 

 

母親から何も話されないままその状態が続くと、「親なのに何でこんな不安な目に合わせるのか?」という、人に対する不信感を抱いて育っていく可能性が高くなります。

 

 

離れることになった理由がどんなものであれ、子供にはちゃんと向き合って離すことが大事です。その際には、元ダンナの悪口をあれこれ言うのではなくて、「これから明るく楽しく暮らしていこう!」と母の決意を語ってあげるといいですよね。

 

 

離婚後、父親が子供に対して冷たくなったり、会う機会が減ったりする

家族

 

子供が、父親のことを好きでいるままで離れることになったとき。

今まで大好きだったパパが突然いなくなるのは、悲しい気持ちになるものです。「大事なものを失った」という喪失感に、小さな子供でも悩まされるでしょう。

 

それに加えて、面会するときに夫婦がギスギスしたやりとりをしていたり、そもそも面会の機会すらなかったとしたら?

 

 

子供が感じた「家族のつながりが切れる恐怖」が、成長していくうちに「結婚への恐怖」や「人から見捨てられることへの恐怖」に変わります。

そしてその恐怖ゆえに、他人と距離を置いて付き合うようになる可能性があるそうです。

 

 

シングルマザーが経済的・精神的に弱くなり、育児に支障が出る

落ち込む

 

離婚した当時、私自身「人生終わった」と思ったときがありました。

 

今でこそ平穏な気持ちで暮らしていますが、当時は、元ダンナへの怒りの感情とか、これからどうやって生活の基盤を作っていけばいいのかという不安感などがごちゃまぜになって、どうしようもなく荒み、焦っていました。

>>私のこれまでのエピソードはこちらで詳しくお話しています。

 

 

ちっとも笑わないし、いつも焦って追い込まれているし、イライラしているし、疲れている。

そんな精神状態でしていた子育ては、まるで「作業」のようでした。いちおう子供の面倒は見ているものの、全然気持ちが入っていないというか、「やらなきゃいけないからやってるんです」っていう、冷めた感じ。

 

 

子供は親の心の変化に敏感なので、このときはツラい思いをさせてしまいました。

これが何年も続いたら、きっと子供の心に深い影を落とすんだろうなと思います。

 

 

そして、忘れちゃならない経済的な問題。

 

厚生労働省の統計によると、母子家庭の母親のうち、約47.4%がパートやアルバイトなどの非正規雇用で、収入が低い傾向にあります。

 

母子家庭の就業状況

 

世の中お金が全てとは言いませんが、お金があることで「選択肢が増える」のは事実。

 

子供のやりたいことが、お金がないという理由でできない。「できない」という選択肢しかない。

 

これは、子供にとっては不自由を感じながら生きていくことにつながりますし、「自分はお金がない人間だ」と劣等感を持ちながら成長する可能性だってあります。

 

 

『母子家庭=貧困・かわいそう』というイメージを、自他ともに吹き飛ばすには、母親の精神的・経済的自立が超重要です。

 

 

シングルマザーが仕事で家を空ける時間が多くなり、育児に支障が出る

不在

 

世の中のシングルマザーは、めちゃめちゃ頑張ってます。

母子家庭の母親が職についている割合は、日本は80.6%で、他の国に比べて躍り出る高い数字です。

 

母子家庭世界の就業状況
↑他国の母子家庭の母の就業率

 

しかしながら、それだけ働いているということは、家に母親がいる時間が少ないということになります。「雇われる=時間を雇い主に捧げる代わりに収入を得る」ということですから。

 

中には、収入を得るために、二つ以上のパートをかけもちしているママもいることでしょう。すると、どんどん子供と接する時間は減っていきます。

 

 

子供が普段何を思って過ごしているのか?どんな行動をしているのか?どんなタイミングで嬉しいと思うのか?悲しいと思うのか?

子供と時間が共有できずにいると、分からない場合もあります。

 

子供のことが分からなくなると、「適切な声掛け」ができません。

褒めてほしいときに、そもそも母親が仕事でいなかったり、寂しくて甘えてきたときに「今疲れてるからあっち行って」とか言っちゃたり。

 

 

適切な声掛けができない状況が積み重なっていくことで、子供は寂しさや不安を募らせていきます。それが積もり積もって爆発してしまうと、非行に走る・・・なんてことも言われています。

 

 

学校や親族など、外部からのサポートが手薄

サポート

 

親族との関係が希薄だったり、子供が通う学校や園と連携が十分とれていない場合、母子家庭は孤立してしまいます。

 

アメリカでは、離婚に関する問題解決のプログラムが開発され、国を挙げてひとり親家族をサポートする体制が整っているようですが、日本ではまだまだ。

 

 

これまでお話してきたように、精神的にも経済的にも時間的にもキツイ状態が続いたうえで、さらに孤立までしてしまうとなったら、ママも子供も疲れ果てます。

 

 

とは言え、外部からのサポートが、今すぐ勝手に手厚くなるとは考えにくいです。

助けが必要だと思ったときには、自分から手を挙げることが大事ですよね。日本では特に、助成金でも何でも自分から手を挙げないと得られないですから。

 

 

厳しい現実は受け入れるしかないの?

曇り空

 

ここまで、母子家庭が子供に与える悪影響を、東大の資料をもとにつらつらと書いてきました。

 

母子家庭が子供に与える悪影響

  • 人に対する不信感が子供に芽生える
  • 結婚や深い人間関係への恐怖が子供に芽生える
  • 寂しさからの非行
  • お金がないという劣等感が子供に芽生える

 

もうなんというか、全然いい気分がしないですよね。

 

 

「だけど仕方ない、これが現実だもの・・・」って受け入れます?私は死んでもイヤ!!

なぜわざわざ「厳しい現実」というレールに乗っからなければいけないのか?「みんなこんな状況だから、うちもこうなる」と決めつけなければいけないのか?

 

 

私は、母子家庭が子供に与える影響には、「3つの制限」が深くかかわっていると思っています。

 

  1. 時間の制限
  2. お金の制限
  3. 考え方の制限

 

 

雇われ先に時間を捧げるだけしか方法がないのか?(時間の制限)

 

仕事に時間をとられて、子供と過ごす十分な時間がない。だから、子供の心に寂しさや不安を募らせることになってしまう。

 

「仕事をする=雇われる」は、ごくごく一般的な価値観だと思います。ですが、本当にそれしか方法はないの?

例えば、在宅で、自分のスケジュールに合わせてできる仕事だったら、大切な子供との時間を潰すことは少なくなるのではないでしょうか。

 

 

「給料」だけが収入を得る道なのか?(お金の制限)

 

多くの人々が持っている「仕事をする=雇われる」という価値観は、雇われ先の給料だけが唯一収入を得る道だと錯覚させます。

 

しかし、世の中見渡せば、「自分の力で好きなだけ稼ぐ道」だってあります。

自分の力で好きなだけ稼いで経済的に豊かになれば、子供の人生の選択肢をいくつも提示できます。

 

 

そんな方法が、例えば在宅の仕事であるとしたら?

一番大事な子供との時間も大切にしながら、経済的にも豊かになれば、母子家庭親子が抱える多くの問題は解決できるはずです。

 

 

「どうせ私なんて・・・」と思うか?それとも、「やればできる!」と思うか?(考え方の制限)

 

大人になると「私はもう完成した」と、無意識で思い込んでしまいますよね。

 

今の私が完成形だから、これ以上伸びない。新しい能力なんて身に付かない。だからこんな仕事しかできないだろう。

そうやって思い込めば思い込むほど、マジで伸びしろがなくなります。

 

 

そんな母親の背中を見ながら成長する子供は、一体どんな価値観を身に付けるでしょう?

 

 

人間、考え方ひとつで可能性の幅は変わります。

できそうなことしかやらない人生と、新しいことに挑戦してどんどん自分の可能性を広げていく人生。あなたの子供はどちらに進んで欲しいですか?

 

 

もちろん後者だと思うのであれば、まずは母親がその姿を見せないと。

父親がいない分、子供はあなたをずっと見ています。生き写しになるのは予想できるはずです。

 

 

 

「母子家庭の多くがこんな状況だから、その子供にはこんな影響が出るんだよ」と言われ、それが嫌なのであれば、その状況を抜け出す手段を見つけて、行動を起こしましょう。